日本の投資信託、「コスト」と「情報公開」で低評価!!
少額投資非課税制度(NISA)が平成26年1月から始まります。
この制度は英国のISA制度を参考に創設された制度で、
100万円まで上場株式・株式投資信託等を購入することができ
その配当金や売買益等は非課税となります。
今回は制度導入前に具体的な運用商品でもある「投資信託」について、
米国の大手投信評価会社モーニングスターのリポート
をもとに考えてみたいと思います。
このリポートは世界24ヶ国の投信市場の環境をまとめたものです。
「規制・税金」「情報公開」「手数料・費用」「販売・メディア」
という4つの項目で評価され、これらを合算しAからFまでランク付けされる。
各国総合評価
A 米国
B+ 韓国
B オランダ シンガポール 台湾 タイ
B- 中国 デンマーク ドイツ インド ノルウエ― スペイン スウエ―デン スイス 英国
C+ 豪州 ベルギー カナダ フランス イタリア
C 日本
C- 香港 ニュージーランド
D 南アフリカ
(出所:米モーニングスター)
日本は、C評価で24ヶ国の中で、下から4番目という厳しい評価でした。
評価の内訳は
「規制・税金」 B
「情報公開」 C+
「手数料・費用」 D+
「販売・メディア」B-
低評価の最大の要因は「手数料・費用」でした。
日本では、販売手数料や信託報酬が負担となり、
結果として投資家が、利益を上げにくい状況にあります。
その原因を考えてみました。
「証券会社」や「銀行」など販売会社の力が強く、
手数料が運用成果に対して高すぎても売れてしまう環境があります。
運用会社も売ってくれる販売会社の利益を優先しているように感じます。
最上位のアメリカでは投資家に何十年も支持されている投資信託があります。
運用会社も日本と違い買ってくれる投資家の利益を最大にする事を優先しているように思います。
その背景を考えてみました。
アメリカでは独立系のファイナンシャルプランナーに相談するのが一般化している。
NISAのお手本となった英国でもIFAとよばれる独立系金融アドバイザーに助言を受けて
投資信託を買うのが一般的です。
ベースにある金銭教育と専門家のアドバイスが優れた金融商品を育てると思います。
しかし、日本では金銭教育がほとんど行われていない状況なのに、
独立系のアドバイスもないまま金融機関の手数料稼ぎに巻き込まれているように思います。
「手数料・費用」の次に評価が低かったのが「情報公開」です。
・目論見書が平易な言葉で書かれていない。
・固有のリスクを明かさず、一般的なリスクしか説明していない。
・表示するリターンの期間も運用会社が任意に決められ、恣意的に都合良く表示できる。
などが低評価の原因でした。
当たり前のように立派な銀行の窓口などで、
きれいなパンフレットで販売されている投資信託。
日本の投資信託の状況は、
世界的なレベルでみると24ヶ国中下から4番目
という低レベルの投資信託市場である事を
まず認識する必要があると思います。